〼役割ごとのキャラの掘り下げ

以前、キャラクターから物語を作るのは難しいと言いましたが、その手法で作られた面白い物語もたくさんあります。

私がいま見ているアニメ、中間管理録トネガワがその最たる(ってこともないけど)例でしょう。あれはカイジに登場する、トネガワというキャラクターありきの漫画ですから。いわゆるスピンオフというやつです。

スティーヴン・キングなんかはよく、スターシステムを好んで使いますよね。あの作品のキャラクターが、この作品にもちらっと顔を出してる。みたいなやつです。

なんだか親しい友人に旅先でばったり出会ったような嬉しさがありますよね。そんな経験したことないので想像ですけど。

だからキングの作品はなおさら全部読まなくてはと思ってしまう。キャラクターだけではなく、設定や場所なんかもリンクしてる作品が結構あるから、ハマればハマるほど面白い。


というわけで前置きが長くなりましたが、今回は物語からキャラクターを作るときの注意点について。

物語において大事な役割が与えられるほど、そのキャラクターの掘り下げも深くしなければなりません。

たとえばちょっと肩がぶつかるくらいのキャラなら名前も生い立ちもなく、単に「男」で通しても問題はないのですが、主人公の恋人がそれだとまずいわけです。

まあ、名前や容姿はきっちり設定してあるとしましょう。しかし、主人公の恋人になる、という役割だけを与えて、心理描写が全くないと読者は納得しないというわけです。

「なんか脈絡もなく恋に落ちてる」と思われた瞬間に、その物語はリアリティを失い、作りものであると読者に気づかれてしまうのです。もちろん作りものだというのは承知したうえで読んでくれているわけですが、お化け屋敷と一緒です。せっかく怖がろうと思って入ったのに、お化けが横から見たら薄いベニヤ板だった、なんて興ざめでしょう。

つまり重要な役割を与えるなら、それなりにバックボーンが必要というわけです。

まあキャラの掘り下げは書きながらでも行えるので、ちょうどいい感じに落とし穴を仕掛けておいて、読者をまんまと嵌めてやりましょう。