〼雪女と少年のごった煮

私が初めて書いた小説は、うーん、結局書き上げられなかったので、初めて完結させた小説の話をしましょうか。応募作品第一号です。

製作期間はどれくらいだろう。二年は書いてた気もします。一年目で間に合わせるはずが途中でストーリーが破綻し、やむなく締め切り延長。一年は長い。長いのにしかし、推敲が終わったのはギリギリでした。時間があろうと使い方を知らなければ豚に真珠といういい例です。

どんな物語なのか、簡潔に伝えられない時点で下読み通過は絶望的です。原稿もファイルも紛失してしまったので、読み返すこともできません。

はっきり言ってしまうと、一時期諦めてたんですよね。小説家になること。仕事が忙しかったというのもありますし。一度の失敗が堪えて、立ち直るのに時間がかかったのです。それでも「小説家になるぞ」とは嘯いてました。書かない小説家。口だけバンドマンデビューです。


さて、作品の内容ですが、いろいろ装飾を取っ払って筋のようなものを取り出してつなぎ合わせるとしたら、少年が雪女とスキー場で暮らす話です。

これはもう、私の大好物を組み合わせただけの、料理とも呼べないシロモノです。

純粋さの象徴としての少年。美しさと化身としての雪女。スノボが好きなので舞台はスキー場です。

まず出発点は「雪女を登場させたい!」でしたからね。以前このブログでも偉そうに指摘していた、キャラから物語を作るのはよくない、という愚を犯しまくっています。さらにたちが悪いのは、雪女という既存のキャラを元にしている点です。

ストーリーにどうしても必要じゃないのなら、雪女も狼男もドラキュラも登場させるべきではありません。ギクッと肩を震わせた方もいるかもしれませんが、その話はまた今度じっくりといたしましょう。

とにかく私は雪女を書きたかった。そしてオリジナリティも欲しかった。なので雪女なのにスキーウェアで厚着をしていて、茶髪で、もちろん絶世の美女で、感情が欠落している……という設定をガチガチに固めて、自分で生み出したキャラに恋をする始末でした。主人公である少年も同様の過程を経て誕生し、見事に私のハートを射止めたわけです。まさに自給自足の極地。

まあ、悪い点を並べ立てればキリがないんですけど、初めて完成まで持っていった作品なので思い入れだけはあります。

雪女を書きたい、というコスプレにも似た初期衝動だって、とりあえず書き始める起爆剤にはなったので、無駄ではなかった、かな。

しかし好きなものを詰め込むなんて愚策は取るべきじゃありません。否定されたときのショックがキツ過ぎます。私にはこれしかないのに……と絶望することうけあいです。

あの頃の私に会えるなら、カレーとパフェと納豆とタピオカを混ぜたものを振る舞って、「おいしいと思う?」と訊ねてやりたいものです。私は悪食なので、もしかしたら平らげるかもしれませんが。


そんなこんなで応募した第一作。いつか読み返してみたい気もするんですけどね。

みなさんはやけになっても、反省材料は捨てずにとっておきましょう。失敗作から学ぶことだってあるんですから。