〼ジャンルにおける前菜とメインディッシュ

どんな創作物にもついてまわるジャンルというカテゴライズ。もちろん小説にもジャンルがあります。ジャンルのジャングルです。いまのは駄洒落というジャンルに属する、くだらない一文でございます。

小説はどれも小説です。国境なんてどこにもない。なんて平和主義を唱えたところで戦争はなくなりませんし、現にジャンルは確固として存在します。

さて、ほんとにいろいろありますよね。恋愛、青春、ファンタジー、SF、ミステリー、ホラー、時代、お仕事、コメディ、なんてのがメジャーですが、ほんの一部です。それぞれもっと細分化できますし。

投稿サイトに投稿するときは、ジャンルを選ばないといけないのですが、毎回どうしたものかと頭を悩ませます。新人賞に応募するときも、このジャンルはどの賞に応募すべきなのだろうと、その段階でつまづきます。


私はあまりジャンルでくくって本を買ったりはしないんですけど、みんなはどうなんだろう。SFが好きな人はSFしか読まなかったりするのでしょうか。うん、SFは特にその傾向が強そうですね。

作者からしてみれば唯一無二のパイオニアでありたいのでジャンル分けは不本意かもしれませんが、読者からすれば分類したほうがわかりやすいでしょう。それが敬遠される原因にもなりがちなので良し悪しですけど。このジャンルは好きだけど、このジャンルは絶対に読みません、って手に取る前からふるいにかけられたり。


とはいえジャンルが存在する以上、対策を立てないわけにもいきますまい。

まず自分の書いてるもののジャンルを把握しなければなりません。これはまあ、あまり悩むことはないでしょう。お化けが出るならホラー、怖がらせたいならホラー、白紙の原稿用紙が作者にとってはすでに最強のホラーです。

ジャンルを把握したら、さてどう書けばいいのか。ジャンルなんか気にせず一気に書き上げてしまうのが一番ですが、執筆は長丁場。どうしてもジャンルの問題に直面します。避けて通ることも可能ですが、そうするとなんだかよくわからない物語になる恐れもあります。

ジャンルものを書くにあたって、まずは読者が何を求めているのかを知らなければなりません。恋愛ものを手に取る人は、はたして純粋にイチャイチャする幸せカップルを見たいのか、ファンタジーを読む人は荒唐無稽を好むのか。

これが欲しい、と言われて、それをそのまま差し出すのは無粋です。希望がかなっても相手は物足りなさを感じます。


甘いものが食べたくなるのはどんな時ですか。そう、しょっぱいものを食べた後です。甘いものが好きでも、チョコばかり出されると胸焼けします。

ジャンルにも同じことが言えます。メインディッシュを際立たせるためには、真逆の味覚を添えてやればいいのです。最適解ではないかもしれませんが、手っ取り早い。

たとえば恋愛モノなら、ドロドロの愛憎劇を。ホラーならほのぼのハートフルな日常を。ファンタジーならとことん追求されたリアリティーを。それによって読者は満足して求めていたジャンルを楽しめるのです。そうそうこれこれ。やっぱりこれが一番だなあ、と。

ここで気をつけていただきたいのは、真逆の要素はあくまでも添えるだけということです。パフェを味わってもらいたいからって、こてこての味噌ラーメンを出したら、むしろラーメンが主役になってしまいます。お腹いっぱいになられても困るので、ピザ一切れくらいにとどめておきましょう。

ジャンルに挑むときは真逆の要素を隠し味に。これはあくまでも喩え話なので、実際パフェを頼んできたお客さんにピザやラーメンを出すと怒られてしまうのでお気をつけ下さいませ。