なりたいけど書きたくない!

小説家になりたいけど、書きたくない私が、どうすれば書き続けられるのかを模索していくブログ。

〼ゴリラにならない、てにをは辞典

辞書の話をしよう。

私が遠征するにあたってダンボールに詰め込んだ辞書はその一冊だけ。そう、ご存知『てにをは辞典』です。象さんマークの水色の辞典。あらかわいい。

書く人のための辞典と謳っている通り、執筆には大いに役立ちます。

てにをは、つまり助詞の扱いに特化した辞典です。コロケーション、語と語の連結、よく使われる言い回しが重要なのは英語も同じですが、日本語における助詞の重要性は他言語の比ではありません。


英語は配置によって単語の意味が決定します。その辺はまあ、英語を勉強し始めたばかりなので突っ込んだことは言えませんが、英語は語順をひょいひょいと入れ替えるとまるで意味が変わってしまいます。

ところが日本語は助詞によって言葉の立ち位置を決めるので、極端な話、助詞さえ適切であれば順番を入れ替えちゃっても意味が通じてしまうのです。

あの海賊漫画の有名なセリフで試してみましょう。

「おれは海賊王になる!」
「なる海賊王におれは!」
「海賊王になるおれは!」
「おれは王になる海賊の!」
「海賊王、おれ、なる!」

最後はふざけて助詞を取っ払っちゃった結果、原始人みたいになってしまいましたが、なんとか意味は通じるでしょう。勢いとノリでなんとかなるという好例です。

ところが助詞を間違えると、途端に意味が通じなくなる。

「海賊王へおれになる!」
「海賊王をおれとなる!」
「海賊王はおれをなる!」

ほらね。いっそ助詞がないほうがまだ意味が通じる。それくらい、日本語における助詞は単語に影響を及ぼすということです。

助詞だけは間違えてはいけない。そのプレッシャーから開放してくれるのが「てにをは」辞典です。これがなかったら私たちはめちゃくちゃな文章を書くか、ゴリラ語をしゃべるしかなくなります。おれ、てにをは、大事。


さて話は変わりますが、タイトルにも使われている代表的な助詞の一つ、「は」について。

たまにネットで見かける使い方で、もやっとするものがあります。例文をあげましょう。

「今日は曇りだは」

もやもやもやもや。私の頭上にも入道雲ですよ。助詞警察なら取り締まっているところです。まあ、私は警察でも善良な市民でもないので、逮捕も通報もしませんけど。

最初の「今日は」はいいんですよ。しかし「曇りだは」ってなんですか。そこは「曇りだわ」でしょう。私はこう表記されてしまうと、「曇りだHA」と読んでしまうので、なんとも歯切れの悪い気分になります。

思ったは。わかるは。そういうことだは。

うううう。つまりこういうことですわ。

どこがおかしいの? という人のために説明すると、助詞の「は」にはイコールの意味があるので、上記の文章だと計算式が成り立たないんですよ。「今日=雨だ=」って、答えのない気持ちの悪い式になってしまう。本来なら「今日=雨だわ」です。ちなみに「わ」はただの語尾です。

思ったは、で作れる文章なんてあったかしら。残念ながら思いつかない。

まあ、単に私がもやっとするだけなので告発するほどの罪でもないんですけど、仮にも小説家を志す人間がこれをやると非常にまずい。おそらく私だけではありません。おや、なんか変だな、と思うのは。

そこで役立つのがそう。『てにをは辞典』です。って、くどいわ。

助詞を使いこなすか、英語をマスターするか、原始人と化すか。

小説家に私はなる! ゴリラではなく!